2020-01-01から1年間の記事一覧

はいふり批評24 はいふりから萌ミリを眺めて

芸術家にとって芸術とは感動の対象でもなければ思索の対象でもない、実践である。作品とは、彼にとって、己のたてた里程標に過ぎない、彼に重要なのは歩く事である。 ―—小林秀雄「様々なる意匠」 前回の最後に書いたように、今回は批評というよりはいふりの…

はいふり批評23 寄せ集めのクラスとはいふり

作者の個性を感じさせず、他者にゆだねられた芸術の理想的な姿こそ、ウォーホルが生涯にわたって見つめてきたイコンに他ならなかった。 イコンにとって作者は重要ではなく、作品の個性もオリジナリティも必要とされないが、教会や家庭で日常的に崇敬されてい…

私の好きなアニソン(個人)総選挙2020 結果発表

去る9月6日。アニソン総選挙2020*1という番組が放送され、WEBサイトでの投票結果が発表された。 だが、驚くべきことにこのランキングの中にはいふりの曲が一曲も入っていなかったのである。 *1:https://www.tv-asahi.co.jp/animesong_sousenkyo/

はいふり批評22 RATtウイルスの起源を探る

哲学者たちにとってもっともむずかしい仕事の一つは、思想の世界から現実的な世界のなかへおりてゆくことである。 ーーマルクス、エンゲルス「ドイツ・イデオロギー」 今回行おうとしている批評は、今までの批評とはかなり趣が異なる。私自身、この批評を見…

劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト 再生産総集編

つい先日劇場公開されたばかりの「少女☆歌劇 レヴュースタァライト 再生産総集編」を見てきました。TVシリーズは見ていなかったんですが、ちょっと興味があったので視聴。その感想的なものになります。 TVシリーズの総集編らしいのでネタバレ云々はあんまり…

はいふり批評21 「はいふりは胸に甘えていない」とはどういうことか

俺は小さいオッパイが好きだぜ。だって、あれって『いらっしゃいませ!よろしくね!』って感じじゃない。でも巨乳は『悪いけど、5分以内でたのむわ』って感じだもの ーーミッチ・ファテル 2019年6月2日。「ハイスクール・フリート WEB特番 ゲームと映画でピ…

楽園追放 -Expelled from Paradise-

今朝「楽園追放 -Expelled from Paradise-」を見た。2014年の劇場アニメだが、上映当時はかなり話題になっていた。私は結局見なかったが、主人公の女の子が可愛いということだけはしっかりと覚えていた。 見てみるととても面白かったので、感想を書いておく。…

はいふり批評20 七つの青は今日も世界を包んでいる

国破れて山河在り ーー杜甫 批評や哲学というものは、ある思想が生まれてくるとしばらくしてそれに対する反発が起こる。作者や道徳的な意図を探る批評の反発から形式主義批評は生まれ、形式主義批評(特に構造主義)への反発から脱構築が生まれた。さらに後…

はいふり批評19 日本占領、その先に

私は日本国民に対して事実上無制限の権限をもっていた。歴史上いかなる植民地総督も、征服者も、総司令官も、私が日本国民に対してもったほどの権力をもったことはなかった。私の権力は至上のものであった。 ーーダグラス・マッカーサー「マッカーサー回想記…

はいふり批評18 はいふりの断面図を眺めよう

全体は部分の総和にあらず(The whole is greater than the sum of its parts.) ーーアリストテレス 世界の神話や昔話の中には、不思議な共通項を持っているものが多い。「母親が死んだあと、腹から生まれてきた英雄」というパターンの話は日本中に広く分布…

はいふり批評17 家族の虚構、虚構の家族

3年前、タイに旅行に行ったときのことだった。バスのガイドさんがタイの王朝について移動しながら説明をしてくれていて、私はそういった歴史などに興味を持ち始めていたころだったからとても楽しく聞いていた。その中で、 現在のバンコク王朝の前のトンブリ…

劇場版ハイスクール・フリート 上映館雑感

今日で劇場版ハイスクール・フリートを上映しているところが大分減ってしまいますが、そんなタイミングで私が行った各上映館での視聴感想をまとめていきます。 アニメの内容には触れないのでご安心ください。 よーそろー!

はいふり批評番外編 劇場版ハイスクール・フリート

「はいふり」改め「ハイスクール・フリート」 ーーハイスクール・フリート公式 2020年1月12日、記念艦三笠で先行上映された劇場版ハイスクール・フリートを見てきた。最後A-1 Picturesの柏田さんがでてきて作画の謝罪をしたのには笑ったが、とにかく劇場版の…

はいふり批評16 船が勝手に進めるいうんなら、進んでみぃや!

人は女性に生まれるのではない、女性になるのだ ーーシモーヌ・ド・ボーヴォワール「第二の性」 2019年の後半あたりからだったろうか?フェミニズム、フェミニストとされる人たちの主張が大きく取りざたされるようになったのは。本来は精神分析批評の後あた…