アニメ映画「バブル」感想

2022年5月13日に公開された劇場アニメ「バブル」を見たのでその感想書きます。ネタバレありで書くので気を付けてください。

5月13日公開とかさっき書いたけど、実際はNETFLIXのほうで先に公開されてた作品なんだよね。私はNETFLIX入ってないから見てないけど。それがなんかメチャクチャ酷評されていたから「よっしゃ見てみよ!(天邪鬼)」という感じで見に行った。

結論から言うと面白かった。今思い返してみてもどのあたりに酷評する要素があったのか見当がつかないくらいには面白かった。

パルクールの作画すご……

劇場アニメなんだから当たり前だとは思うが作画がすごかった。登場キャラクターたちは重力が壊れた東京で食糧などを賭けてパルクール勝負をしている。パルクールと言えばTVアニメでもあった「プリンス・オブ・ストライド」が浮かぶが、何しろ重力が壊れているので飛ぶ跳ねるの次元が違う。

ビルの間を飛び移るのは当然として浮遊している岩や泡を使って縦横無尽に街を突き進む映像は見事の一言で爽快感が素晴らしい。

ただ、見事過ぎて高所恐怖症の人は見ない方がいいだろう。映像としてかなり怖いと思う。正直私も若干怖かった。

人魚姫が最後泡になるのは

作中でも言われているし、大まかな流れは同じなので誰でも気づくことだがこの物語は「人魚姫」がベースになっている。

人魚姫が王子を助け、王子と会うために人の姿になり、そして結局一緒にはなれずに泡となって消えていく。

この「バブル」の特徴と言えるのはこの「泡となって消えていく」というのは一体どういうことなのか?という点に作品なりの答えを出していることだろう。

作中では人魚姫の話を同じように繰り返される逸話がある。それは人の歴史は集まって爆発(戦争)がおき、散り散りになった後また集まり……という風に繰り返すというもの。それと同様のことが宇宙でもおきており、星や銀河の生成についてもこれが当てはまると語る。

これを「バブル」では人魚姫の話と組み合わせる。ウタがヒビキに触れたときに泡となるのは2人が一緒になった時に爆発(愛)が起きるから。ヒビキが「ウタがいたから自分になれた」といい、それに応えるようににウタが「ヒビキがいたから自分になれた」と言う。ここで心が一つになり、ウタは泡となって消える。

だが、それで終わりではない。泡となったウタは再び集まり、ヒビキともう一度出会うことができるだろう。そんな希望を示唆するように東京タワーを挟んで泡となったウタとヒビキは向かい合うのである。

なんともロマンチックかつ哲学的で素敵な物語だと思う。

おわりに

アクションも楽しめてストーリーの読み解きの楽しさもある。かなりいい映画だったのではないかと思う。でもこの作品、やっぱり映画で見た方がいいと思うよ。PCの小さな画面で見るような作品じゃない。NETFLIXのこと良く知らないけど配信じゃあこの作品のアクション部分を十分に楽しめないんじゃないかな。

最後にもう一度言うけど高所恐怖症の人は覚悟して見て。