蟲師 続章 第18話「雷の袂(いかずちのたもと)」

蟲師 続章第十八話見ました

蟲が完全に脇役になってるな。

でも、ある一つの親子関係を描くものとして、素晴らしかった。子供の方がみんなを巻き込まないために樹に上ったり、誰もいない平原に行くのはたしかに「いい子供」である。そんな子供の純粋な善意より胸を打つのが、母親の見せる誠実さだろう。この母親は自分子供の事を愛せなかった。他に好きな人がいたのに無理やり結婚させられたからだろう。

この母親は結局のところ、子供にも、夫にも、母親にも、ギンコにも嘘をつくことをしなかった。嘘をついて「まともな家族」を装うことも可能だったかもしれないがそれをしなかった。子供に対して「愛せない」ということをちゃんと言葉と行動で表していた。「愛せない」と分かっている子供が生まれる前に自殺を図ろうともした。最後には愛せない子供と分かれて暮らした。

なんというか、不器用な女だ。けれど、嫌いになれない。きっと、最後の最後まで彼女が子供にも、夫にも、母親にも、ギンコにも誠実であることを貫いていたからだろう。