ひとしきり、騒ぎが一層激しくにぎやかになったとき、タルーはふと足を止めた。暗い舗道の上を一つの影が軽快に走っていた。それは一匹の猫、春以来おそらく初めて見かけた猫だった。
ーーアルベール・カミュ「ペスト」
今回は形式主義批評・・・特に構造主義批評を用いてはいふりを見ていく。前回取り上げた吉田玲子へのインタビュー記事の中にはいふりにまつわる興味深い記載がある。
シナリオ先行で、そこからキャラクターをイメージして作っていただきました。
まずシナリオありきで作られたはいふりでは、それだけキャラクターの役割に焦点を置いている可能性がある。そのため、構造主義批評の格好の対象になりうる可能性を秘めているのである。
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